ホーム 作家・作品紹介 ゆるたの展 まっちー&もりインタビュー

ゆるたの展 まっちー&もりインタビュー

作家・作品紹介
#インタビュー #アクリル画

お二人で色々な活動をされていますが、簡単にプロフィールを教えてください。

【もりプロフィール】

福島生まれ。20歳で上京後、高校演劇の仲間に誘われ劇団の設立メンバーとなる。成年後見制度のPR演劇などで裏方を務め、その流れで障害者演劇の依頼を受け、以後10年以上活動を続けている。2018年からは個人で放課後等デイサービスの演劇公演をプロデュースし、5年間担当。2019年にフリーとなり、演劇と並行してイラストや絵本制作も開始。2022年からは「もりマルSTORE」としてイベント出店やオンラインショップでの活動も行っている。

【まっちープロフィール】

名古屋生まれ。名古屋の俳優養成所で2年間、東京の俳優養成所で2年間演劇を学び、着ぐるみやMCのお姉さんとして日本全国旅公演を10年以上。現在はスーツアクター(着ぐるみ)のプロとしての活動が中心。

コロナ禍で、もりさんと知り合いオンラインにて放課後等デイサービスの子どもたちに演劇ワークショップをやったことをきっかけに、実際の舞台の演出にも参加。他の障害者演劇団体においても講師を担当。

地元での広告デザイナーの経験を活かし、フリーでデザイナーやイラストレーターとしても活動。

オリジナルキャラクターの作成、ぬい撮り写真、LINEスタンプなど公開している。

二人の出会い

2人の出会いは2020年。もりがプロデュースしていた放課後等デイサービスの演劇公演にまっちーが演出として参加したことがきっかけです。三年間共に力を合わせて舞台に取り組みました。

そして、お互いにクリエイターということもあり、まっちーの「一緒に展示会をやろう」の言葉から始まり2022年から「ゆるたの展」を開催。

今では展示やライブペイント、グッズ販売などを通じて、お客さんと一緒に“ゆるっとたのしい”アートの場をつくっています。

「ゆるたの展」という名称にはどのような想いが込められているのでしょうか?

「ゆるたの展」は、もりとまっちーが“ゆるく たのしく”を合言葉に始めた展示会です。

お客さんに心から楽しんでもらうには、まず私たち自身も楽しむことが大切。

そこで、来てくれた人も私たちも自然体でゆるっと過ごせる、あたたかくて心地よくてたのしい空間をつくりたいと考えました。

そんな思いを込めて名付けたのが「ゆるたの展」です。

今回2つのパネルを作っていただきましたが、作品タイトルとコンセプトを教えてください。

もりさん作品

まっちーさん作品

 作品タイトル: bloom × blue (読み方:ブルームブルー)

花と海の仲間たちを、カラフルなタイルにぎゅっと詰め込みました。

きれいに咲き誇る花や元気に泳ぐ生き物たちが、まるで模様の一部になったように並び、見ているだけでわくわく楽しくなる作品にしました。

小さなタイルひとつひとつが物語を持ち、集まることで「花と海のパッチワーク」のような世界を描き出しています。

毎回可愛いキャラクターがたくさん登場していますが、何からインスピレーションを受けていますか?

もり:母が動物好きで、幼い頃からアヒルや鶏、ウサギと暮らしていました。絵が得意な母の影響も大きいです。

大人になってからはマンボウの生態をもとに脚本を書いたことをきっかけに海の生き物が特に好きになりました。子どもの頃に父と海釣りに出かけた経験も影響していて、今はそうした生き物の魅力をキャラクターとして描き出し、作品づくりにつなげています。

まっちー:キャラクターは、なんとなく描いたラクガキから生まれることが多いです。

絵は自己表現のひとつなので、その時に思い立ったものを描くことが多く、ひとつのテイストにこだわらずその時にやってみたいものを表に出すという感じで描いています。

ライブイベントをされていますが、今後挑戦してみたい活動やイベントはありますか?また、イベントを通して感動したことや、自身の活力になったエピソードがあれば教えてください。

もり:今後挑戦したいのは「ゆるたのフェス」です。これまでの“ゆるっとたのしい”雰囲気を残しつつ、多様な芸術が交わるアートフェスを開催するのが夢です。

個人的にはライブペイントの経験を重ねたいと思っています。デザインフェスタで、初めての方にもライブペイントに参加いただき予想以上に楽しんでもらえた体験が大きな励みになり、今後もそんな場をつくれるよう挑戦していきたいです。

まっちー:ライブペイントは続けていきたいと思っています。

音楽と融合することも考えています。デザインフェスタでお客様参加型ライブペイントした時が印象深く、見知らぬ人とアートを通して交流できるのは楽しいと思いました。

また、年齢性別国籍を超えて交流できるのがアートの強みだという実感もいただきました。依頼を受けての絵本の挿絵などは描いたことがありますが、自分のオリジナルストーリーで絵本を描きたいと構想をあたためているところです。

福祉施設の方々との触れ合いについてお聞きします。関わった方々にどのような影響を与えたと感じていますか?

もり:障害を持つ方々は日々さまざまな悩みを抱えていますが、舞台では特性や癖を役に生かすことで個性が輝く場になります。人前で声を出すのが苦手な子や騒いでしまう子も、稽古を重ねることで自分らしい表現を発揮し、成長していく姿を見てきました。

真剣に取り組む表情や臆せず舞台に立つ姿は、本人にとっても周囲にとっても大きな刺激となり、成長の一歩につながったと感じています。

まっちー:障害を持った方とは主に演劇を通して交流できたことが大きかったです。

指導する立場でしたが、逆にこちらが教えてもらうことの方が多く、心を解放すること、笑顔で仲間と関わること、それらは障害や人種といった垣根を超えてどんな人も輝いて生きるヒントがあると思いました。

活動を通して、「絵を描くこと」と「人と触れ合うこと」は、ご自身にとってどのような意味がありますか?

もり:絵でも舞台でも何か表現することは、夢中になれてわくわくする時間です。

作り上げた時は自信にもつながります。人と触れ合うことは、もともと内気な性格ですが元気や刺激をもらえる大事な時間で、自分では思いつかない発見があったりします。

どちらも私にとってなくてはならないもので、そんな世界を広げてくれたまっちーにとても感謝してます。

まっちー:演劇や音楽、絵画などは私にとっては自分の心の奥底にあるものを表に出す手段であり、生きることそのものにつながっています。

技術や人の評価ももちろん大切ですが、それ以上に本当の心の豊かさを支えてくれるものがアートだと思っています。

アートを通して人に触れることが人間理解を深める一番の近道のように感じています。

舞台でも絵でも、誰かが笑顔になったり心を開く瞬間が一番の喜びです。

ゆるたの展 まっちー&もりさん作品

ゆるた森
ゆるたまっち

もりさん作品

まっちーさん作品

bloom × blue (読み方:ブルームブルー) ゆるたの展 まっちー&もり

今回使用した素材・絵具

ウッドパネル15×15 

メーカー品番:470-00034

(株式会社サン-ケイ)

記事編集

MORI

特集記事の企画・執筆とSNS発信を担当。アートと読者をつなぐ架け橋となることを心がけています。趣味は4歳の娘とのサイクリング。休日は風を感じながら親子でのんびり自転車を楽しんでいます♪

Share

LINE Facebook X はてなブックマーク

関連キーワード

Ranking 人気記事

Artists 作家紹介

作家をもっと見る